湘南に棲むもの・・・ねじばな
梅雨時の台風一過、青空に真夏の雲は出ても、セミの声はなく、花盛りのアジサイが毟り取られた姿は何か割り切れない。
一〇を三で割ったような感じは、まだ鬱が去らない証拠である。
庭の飛び石の間に咲いていたネジバナが、螺旋状に咲き登り、とうとう頂点近くまで達した。
かつて、花を正面から見て、動物の顔に見立ててずいぶんたくさんの絵を書いたことがあった。
その時ネジバナを見て、仙人の顔を想像したのがこの絵である。
ネジバナに出会ったら、仙人に声をかけてほしい。
古い名のモジズリは、花房のようすが染物の一つである忍モジズリの文様に似ているのでつけられたという。