湘南に棲むもの・・・ていかかずら
日が落ちて螢が光る頃には涼やかな風が吹いて初夏に戻るが、日中の暑さはすでに真夏である。
ビワが熟れ、ヤマグワやキイチゴも食べ頃になった。
マツの新芽がつんつん立って、ハコネウツギとウドが勢々と枝を張ってきたから、狭い庭が緑の洪水になった。
このままそっとしておきたいが、いずれ手を入れねばなるまい。
梅雨空も重いが気も重い。
梅もぎをする予定が、あまりの好天に、ついつい野に出てしまう。
野はウツギが咲き、林では木に絡んだテイカカズラに白い風車がいくつも開いている。
柔らかそな若竹をスパッと切り、切り口にテイカカズラの花をさし込んで、細く吹くと、花びらがよじれているから、くるくると勢いよくまわる。
梅もぎをすっかり忘れて、花の風車で遊んでいるようでは、一家の主人としては失格だろう。