批判的論評が出た場合の説明 1
首脳人事にまつわるお家騒動のゴタゴタや、公害のタレ流しなどが発覚したとき、これをモミ消そうとしたり、押しかけた記者に取材拒否をして、かえってありもしない腹をさぐられ、ことを大きくしてしまうことがあります。
モミ消しや、取材拒否は逆効果になる場合があります。
しかし、誤って報道されることもあります。
それが数字や人名なら別だが、記事の主旨や表現で自社のイメージを傷つけられた場合、目クジラをたててくってかかっても、かえって事態を悪化させるだけのことが多いようです。
マスコミはこれらの誤報に対して原則的には訂正しないものです。
しかし、それが記事にされたとき無視することも一つの手段だろうが、これも次に述べるように、せっかくのチャンスを逃がしていることで感心できない。
以前、大宅壮一氏が『週刊朝日』で、ソニーを「東芝のモルモット」と評したことがあった。
当時のソニーはトランジスター・ラジオの開発で衆目を集めていたときだけに、この論評は打撃だった。
しかし、このとき、ソニーの首脳陣はこの「東芝のモルモット」論に対して「モルモット、結構。
モルモット精神こそパイオニア精神であり、これがトランジスターを生んだ精神だ」と居直ったのです。
大宅氏の論法を逆手に取ったソニーの「モルモット精神」は、かえってソニーのイメージづくりに貢献することになり、「東芝大資本の尖兵」という大宅論は影を薄くしてしまったのです。
余談だが、後日大宅氏にモルモッ・ト精神をPRしてもらったお礼にと、ソニーから金のモルモットが届けられたというから、大宅氏もさぞかしニガ笑いをしたことでしょう。
批判的な論評や記事に反論しても事態は好転しない。
それを客観的な意見として、あるいはまたとない反省の材料と考える謙虚な姿勢が望まれる。
たとえば、その誤報記事が誤報であるなら、記者を説得しうる事実証明の資料を明示することです。
いつでも正しい資料をかくさず提示し取材に応じる態度を示すことが大切です。